副鼻腔とは、鼻の周囲の頭蓋骨に開いている空間のことで、4種類あります。
の4つです。
▲ 副鼻腔の4つの種類
この4つの内、歯の痛みに関係があるのが、上顎洞です。
この上顎洞に炎症が起こると、歯に痛みを感じて感じてしまうのです。
なぜなら、奥歯は上顎洞に非常に距離が近く、特に第一大臼歯は根っこの先が上顎洞に突き出ています。
なので、上顎洞に炎症が起こると、奥歯の根っこの刺激が伝わり、歯が痛むのです。
上顎洞の炎症は風邪をひいたり、花粉症などで起こりますが、奥歯の炎症が原因で上顎洞に炎症を起こすこともよくあります(虫歯、歯周病、根っこが膿むなど)。
【歯性上顎洞炎】と言います。上顎洞の炎症の10〜30%が奥歯が原因と言われています。
上顎洞炎が、歯の根っ子の先や神経を圧迫して歯が何もしなくても痛い(自発痛)が起こります。強い痛みが出ます。
上顎洞炎が、歯の周りの歯根膜に拡がってしまい、噛んだ時に痛みが出ます。 歯根膜とは、歯の根っ子の周りにあって、根っこと骨をつなぐクッションのような組織です。
上顎洞炎の炎症が歯の根っこを圧迫して、歯が浮いたように感じます。
理由は、奥歯は根っこの先が上顎洞に非常に近いので炎症が波及しやすいからです。
虫歯の痛みだと、その歯1本だけに痛みが出ますが、上顎洞炎の痛みの場合は、上顎洞の近くに根っこがある奥歯数本に渡って痛みが出るという特徴があります。
上顎洞は左右にあるため、どちらも炎症を起こす可能性は当然ありますが、同時に起こることは少ないため、歯の痛みも左右のどちらかに出ることが多いです。
⇒ 風邪と同時に虫歯等の痛みが出ることも当然あるので注意が必要。
⇒ 上顎洞炎(副鼻腔炎)は歯の根っ子を圧迫して痛みが出るので、しみたりすることは通常はないです。
⇒ 上顎洞炎(副鼻腔炎)が原因の場合は、複数本に渡って痛むことが多いですが、虫歯等の痛みだと、痛い歯を比較的特定しやすいです。
ただ、実際にはその判断は難しく、歯科医院でレントゲンなどの検査もして、確実に診断してもらって下さいね。
歯科用レントゲンでも、上顎洞の炎症はすぐわかります。
また、歯科医院で診断して、歯に異常が無いと分かった場合は耳鼻科をご紹介することもあります。
この場合は2つ原因があります
1. 虫歯が歯の神経まで進んでしまい、神経が腐って膿んで炎症を起こし、上顎洞に波及してしまう場合
この根っこの先に溜まった膿を出したり、根っこの内部を掃除して消毒して、ばい菌を除去します。
ばい菌がいなくなったら、かぶせ物をします。
この手の感染は早めに治療をされてください。
理由は、
@感染が進んでしまうほど、治療の期間や回数、治療費が増えてしまうこと、
A自然には治らず、放っておくと歯を抜かないといけなくなること、
Bばい菌が血管を通じて全身にまわってしまうからです。
2. 歯周病のばい菌が、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットというとこから、上顎洞に行ってしまったり、歯周病が進行して歯の周りの骨を溶かしていき、根っこの先の骨も溶かして、そこから炎症が上顎洞に行ってしまう場合
歯周病になると、上顎洞炎の問題だけではなく、ばい菌によって歯ぐきが腫れてきたり、出血したり、膿が出たり、歯の周りの骨を溶かして歯がグラグラになってしまいますので、至急歯周病の治療をする必要があります。
歯科で歯を詳しく診断した結果、上顎洞炎(副鼻腔炎)が原因で歯が痛いとわかった場合は、耳鼻科で治す必要があります。
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