A. 食後の歯磨きの状態が良くない場合に、歯の表面には最初に歯垢(しこう)という汚れが付きます。
その歯垢が唾液の中のカルシウムやリンとくっついて固まってしまったのが歯石です。
歯石は固いので歯ブラシでは落とせず、歯科医院で取らないといけません。
また、歯石には種類が2種類あります。
歯茎の上に付いている歯石⇒縁上歯石(えんじょうしせき):歯科医院で比較的簡単に取れます。
歯茎の下に付いている歯石⇒縁下歯石(えんかしせき):歯石取りで痛みや出血を起こすのはこちらです。痛くない取り方をしている医院では痛くないです。
A. 歯石そのもには病原性はありません。ただ、歯石は表面がざらざらしていて歯垢が付きやすいです。
その歯垢にばい菌がたくさん住みつきますので、歯石は取った方が良いです。
▲歯石の拡大写真
A. 歯石取りの一般的なやり方の場合、歯茎の中の歯石を取る時は、歯茎の中に器具を差し込んで取りますので、多少の痛みを感じることが多いです。
当院の場合は、歯茎の中の歯石に関しては、歯石の表面についている歯垢(しこう)は完全に除去しますが、深い位置についた歯石は必ずしも全部取るわけではありません。
なぜなら、歯周病を悪化させるのは歯石自体ではなく、歯石の表面に付いた歯垢(しこう:付いたばかりの柔らかいよごれ)だからです。歯についた歯垢をエアフローで完全に取ると、歯茎の深い位置の歯石は取る必要がないからです。
A. あり得ます。出血の原因は、歯茎に炎症があり、血管の透過性があがってるからです。
自分の体の血管の透過性が上がって血を出やすくなると、血の中の白血球が出やすくなり、ばい菌をやっつけるのに都合が良いからです。
つまり、血が出るというのは体の防御反応で、歯茎に炎症がある時は血が出やすいです。
反対に、歯石が付いていても、歯磨きが上手な方は歯茎が炎症を起こしていないこともあります。そういう方は歯石を取っても出血しないことが多いです。
A. あり得ます。
歯周病がある程度進んでる方の場合は、歯を支えてる骨が溶けてしまって、歯の根っこが露出してきます。その露出した根っこに歯石が付いていた場合、歯石によって歯の根っこが覆われて、冷たいものの刺激をブロックします。
その歯石を取ってしまうと、ブロックするものがなくなり、刺激が根っこの表面に直接加わってしまうので、歯がしみたり痛んだりといったことが起こります。
▲歯石が歯の根っこを覆ってる様子
ただ、歯の神経は刺激に対して防御反応があるため、この症状は1週間程度でおさまってきます。
対処法としては、しみや痛みがある場合は、柔らかい歯ブラシを使ったり、軽めの圧力で歯磨きをするなどして、1週間くらい様子をみてください。自然に治ることが大半です。
A. できます。
歯石そのものは炎症を起こす原因ではなく、歯垢の中にいる細菌の出す毒素が歯周病の原因になるため、歯石が付いたままでも、しっかり歯磨きをして歯垢がたまらないようにすれば、歯茎が引き締まってきて出血しにくくなります。
そうなってから歯科医院を訪れて歯石を取ってもらうと、出血しにくくなり、歯石を取った後の痛みも出にくくなります。 しかし歯茎の炎症のあるなしは鏡を見ても患者さんご自身ではわかりにくいため、どちらにしても歯医者で歯の定期健診を受けた方が良いと思われます。
A. いくつも対処法があります。
1)痛みが出にくい器械(エアフロープロフィラキシマスター)を使ってる歯医者を選ぶ。
2)歯石を一度に取るのではなく、何回かに分けてゆっくり取っていく。
3)歯石を取る前に、ご自身で歯磨きを丁寧に行ってあらかじめ歯茎の炎症をへらしておく(歯科衛生士が歯石を取る前に歯ブラシの効果的な使い方をご説明することも可能です)
などです。
A. 歯に付いたばかりの汚れである歯垢(しこう)が固くなって歯石になります。そのため歯石になる前の柔らかい歯垢の段階で適切に歯磨きをすれば歯石は付きにくくなります。
歯磨きの仕方は、歯科衛生士が丁寧にご説明しますが、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシや、デンタルフロスなどもうまく使うことや、歯磨きのタイミングも大事です。
A. 歯石は歯垢が唾液の中のカルシウムなどとくっついてできます。そんとあめ、唾液腺の近くや歯ブラシが届きにくいところに歯石が付きやすいです。
具体的には下記のような場所です。
A. 一般的には3か月に一度くらいで歯石取りをしている方が多いです。
ただ、理想的には1〜2か月に一度です。 理由は、歯に付いた歯垢が歯石に変わるのは1か月程度だからです。そして、歯垢が歯石になって2か月くらいすると歯石の毒性も上がってくるからです。
しかし実際には、歯磨きが上手にできる方で歯石が付きにくい方の場合は3か月くらいあけても大丈夫です。
20歳前後の若い方で歯磨きが上手な方では、半年空けることもあります。
A. 自分で歯石を取れれば、歯医者に行かなくていいし楽だと思います。 また、アマゾンなどでも歯石取りセットを購入することが出来ます。そのため、自分で歯石取りが出来るのではないかと思う気持ちはわかります。
しかし、「自分で歯石取りはできません!」
それは、歯石は石のように固くて歯にしっかりとくっついているからです。
また、歯の裏側とか奥歯に付いた歯石は目で直接見えませんので、デンタルミラーをお口の中に入れて、鏡に映った歯を見ながら、スケーラーという先のとがった器具で歯石を削り取ることになり、慣れるまではなかなか難しいため、完全に取ることはできないです。
さらに、自分で歯石取りをすると、スケーラーの先で歯や歯ぐきを痛める可能性が非常に高いです。
このように、自分で歯石取りをしますと、@ちゃんと取れないA歯や歯ぐきを痛めてしまう ことになりますので、必ず歯科医院で取ってもらってください。
A. もちろんです。歯石取りの後は、定期的にクリーニングを受けに来て頂きます。
歯石は一度取ってもまた付きます。歯石が付きにくくするためには、普段の歯磨きなどのセルフケアが大事になりますが、当院では必要に応じて歯科衛生士が歯磨きなどのセルフケアの仕方をご説明します。
また、定期的にメンテナンス(定期健診)に通って頂くことで、歯石除去やクリーニングも行ってあなたの歯の健康を必ずお守りします。
なんでも、お気軽に歯科衛生士に聞いてくださいね。
▲当院の歯科衛生士
A. 歯石の表面はでこぼこしていて、歯垢が非常につきやすいです。
歯垢にはばい菌がたくさんいますが、歯垢が付いてしばらくすると、ばい菌のせいで歯茎に炎症が起こり、歯肉炎という状態になります。
そして、歯肉炎を放っておくと、歯を支える骨まで溶けてしまって、いわゆる歯周病になってしまいます。
▲歯石の拡大写真
ただ、中には歯石が長い間付いたままでも歯周病にならない方もおられます。そういう方は、生まれつきの体質もあります。普通のかたは、歯石を長い間放っておかないようにしてくださいね。
A. 歯石自体に臭いはありません。
ただ、歯石が長期間付いていると、その中には細菌がたくさん繁殖しているため、結果的に歯周病になってしまいますので、そうなると当然口臭もしてきます。
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