ひと昔前までは、一般的に歯科医院で歯を抜いた時は次の日に消毒をするのが当たり前でした。
ただ、最近では、医学的に抜歯後翌日の消毒は意味がないことがわかってきましたので、結論は消毒は必要ないです。
というのは、実際の消毒効果もあまりない上に、消毒したからと言って早く傷が治るわけでもなからです。
では、昔はなぜ消毒をしてたかというと、抜いた傷口が心配だからというか、確認の意味もあったようです。
もし、歯科医院で確認のため、消毒に来てくださいと言われたら、行っても良いとは思いますが、ちょっと忙しくてと言うと、おそらくは、じゃあ消毒は無しにしましょうと、言われる可能性が高いです。
もちろん、抜いた翌日に大きな異常があった場合は、すぐに受診してくださいね。でもその可能性は低いです。
抜歯の翌日に傷口を消毒薬で洗浄することがありますが、その目的は傷口の状態を見て治癒の経過を予測するということが大切な目的です。
抜歯後の消毒時に確認しなければならないことは、傷口が感染を起こしていないかということと、ドライソケットの有無です。これらは腫れや痛みの状態や痛む場所によって判断します。
抜歯後、傷口が感染を起こしておらず、患者さんの痛みも僅かである場合は、消毒の必要はありません。抜歯後の食事によって傷口付近に食べカスがたまっている場合は、生理食塩水や弱い消毒液で洗浄します。
傷の経過が良好である場合に、イソジンなどの強力な消毒薬をつってしまうと、傷の治りが遅くなる場合があります。しかし傷口が感染を起こしている場合は感染を抑えるためにイソジンなどの強力な消毒薬で洗浄する場合もあります。
《 出典 》相談室(日本ヘルスケア歯科学会)
うがい薬に関しては、結論として必ずしも必要ではありません。
と言いますのは、実際、うがい薬をほとんどの医院が出してませんが、感染はほとんど起こってないからです。
というのは、抜歯した傷口は、血餅(けっぺい)と言って、血が餅の様に固まって傷口を覆うので、ばい菌が感染しにくいからです。
なのでうがい薬でうがいをする必要は基本的にはありません。
ただ、血餅がたまたま出来なかった場合は、事後的にうがい薬を処方されることはあります。
抗生物質についてですが、抗生物質は基本的に必要です。
うがい薬と違い、抗生物質はお口から摂取して全身を回るため、全身の感染を防ぐことができるからです。
また、血餅ができるまでの間に仮に感染したとしても、その感染を収める効果があるからです。
なので、抗生物質は指示通り飲んで下さいね。
あと、痛み止めですが、それは痛くなければ飲む必要はありません。
抜歯後に当院では痛み止めの薬、感染予防の抗生物質を処方しています。痛み止めは痛みがあった時だけで大丈夫です。痛みがなくても、抗生物質は処方されたものを全て飲みきるようにしましょう。
痛みがない場合に、痛み止めと共に抗生物質も飲むのを止めてしまう人がおられます。しかし抗生物質の服用をやめることは危険なことですので、必ずすべて飲み切っていただきたいと思います。
抗生物質を処方された通りの時間や量で使用すると、抗菌力が効果的に発揮され、細菌は死滅します。しかし抗生物質を途中でやめてしまうと、耐性菌が出来やすくなり、細菌が生き残ってしまう場合がありますので大変危険です。
《 出典 》テーマパーク8020 薬剤(日本歯科医師会)
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